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COLUMN

『中国のネットサービス事情~中國的網絡服務情況~』

2018年3月5日

中国に旅行や留学へ行ったことがある人にとっては常識かもしれませんが、意外と日本人に知られていないのは、中国には“グレート・ファイアーウォール”と呼ばれる、大規模な検閲システムが存在することです。Youtube、Facebook、Twitter、Line、Google等のSNSや検索エンジンは、中国国内においてアクセスすることができません。もちろんVPN(バーチャル プライベート ネットワーク)等を利用して使用することはできますが、このVPNも徐々に規制が厳しくなってきており、中国国内のネット環境は鎖国化しています。

ですが、ひとえに鎖国化といっても、小さな島国ではなく、13億人以上の人口を抱える巨大な大国です。外国からのサービスが参入しづらいように守られた特殊な環境下で、中国国内のIT企業は、トップダウンのスピード感と、その膨大な顧客数、更には、その蓄積されるデータを武器に、驚くべき速さで進化し、新たなサービスを次々と開発、提供しています。阿里巴巴集団(アリババグループ)、騰訊(テンセント)、百度(バイドゥ)といった企業の名前は、一度はお聞きになられたことがあるのでは無いでしょうか?鎖国市場に登場したIT巨人の時価総額は、騰訊(テンセント)が世界第6位、阿里巴巴集団(アリババグループ)が世界第8位であり、3位のマイクロソフトや4位のアマゾン・ドット・コム、5位のフェイスブックに肉薄しています。

ちなみに我が国の最上位はトヨタ自動車で世界第40位です。阿里巴巴集団(アリババグループ)や騰訊(テンセント)がどれだけ大きな企業かということが、イメージできたのではないでしょうか?ですが、これほどの大企業の実態を知らない日本人が、まだまだ存在するということも、逆に日本国内の情報が偏ったものであり、ガラパゴス化しているということを、皮肉にも物語っているように感じます。もちろん法的・倫理・道徳的には様々な問題は介在していますが、こうした事実を知っていれば、中国企業はまだまだだ、とはそう簡単に言えないはずです。少なくとも研究し、学ぶ価値は十分にあります。ましてや、これからアジア市場を狙うのであれば尚更です。確かに中国国内では、世界で使えるSNSを使用することは難しいです。

ですが中国には、Lineの代わりに、騰訊(テンセント)の微信(WeChat:登録ユーザー数は2015年の時点で11億2000万人、200の国と地域をカバーし、70を超える国と地域でNO.1のソーシャルアプリとなっている)があり、Facebook、Twitterの代わりに、新浪の微博(ウェイボー:2016年9月時点で全世界6億人以上のユーザー数)が、Youtubeの代わりに、優酷土豆(YoukuTudou)があります。QRコードを用いた電子決済やユーザー間の送金システム、配車やデリバリー、お店の予約等、SNSが“金融サービス”を取り込み、プラットフォームとなることで、上記のような中国版SNSでは、様々なサービスが展開されるようになりました。

こうした変化は、即ちスマホ一台さえあれば、都市と地方の差を埋め、最先端の商品やサービスを享受できることを意味し、中国においては革新的な変化となっています。もちろん、地方や農村では平均年収が低く、まだまだ貧しい現状はありますが、シャオミ(小米)や、OPPO(オッポ)、Vivo(ビボ)、HUAWEI(ファーウェイ)といった、中国メーカーの低価格帯(日本円で1~2万円程)スマホが、続々とそうした層を取り込み、シェアを伸ばしています。ここ数年、中国のネットサービスやビジネス環境が急速に変化し深化している背景には、こうした中国特有の事情が隠れているということも忘れてはならないでしょう。

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