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2015.10.01

色の時感|vol.67

爽やかな風に散歩したくなる、心地の良い季節ですね。
夏の疲れは出ていませんか?
皆さんの心も優しく潤っていると嬉しいです。

今年の夏、皆さんはどのように過ごされたのでしょう。
私は初夏に、初めての一人芝居をし、登ったことない山の景色を見たような経験をしました。
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去年引き受けた時から、ずっと不安で一杯でした。

60ページもの台詞を覚えられるんだろうか、一人という孤独に耐えられるのだろうか。
初対面で人と目を合わせるのも不得意な私が、一人で沢山のお客様を相手にちゃんと存在
できるのだろうか…
一人、ということがこんなにも重くのしかかってくるとは思いもよりませんでした。
最初一日10ページ暗記を目指し、ただただこもって暗記の日々を過ごし、スタッフさんと合流し、

ひたすら千本ノックのような稽古が続きました。

精神的にどんどん追い込まれ、胃腸炎になりながら本番を迎えました。

初日があいて、演出家に楽しんで、と言われてもどう楽しめばよいかわからないまま、

ただ必死にもがきながらステージに立ちました。
ですからお恥ずかしながら東京公演は、お客様と目が合うのが怖くて目線を向けることはできなかったのでした。
東京はキャパ(席数)160ほどでしたが、

地方は、300人、600人、800人と場所によって更にお客様が増えていくのです。

私は当然何百人ものお客様を、一人でおもてなししなければ、と緊張していました。
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でも、広くてお客様の顔が見えないからか、演じているとかえって皆さんの呼吸が感じられ、

必死に見て下さり笑ったり泣いたりしながら、私を包み込むように見守ってくださっていたのです。
1公演が終わると、何百人もの方々におもてなししていただいたかのように不思議と心がぽかぽか、幸せな気分になったのでした。
だからお返しをしたくて皆さんに心から楽しんでいただきたくて、

私も楽しんで演じられるようになった気がします。

役者というのは、相手役の方から芝居をいただき、スタッフの方々に支えられ、

見て下さる方がいてくださるからこそ、成り立つのだと、改めて感謝の気持ちで一杯になりました。
そして一人芝居を終えた今、初めてのことはいくつになっても怖くて、でも乗り越えた時に
また新しい自分に出会えるのだ、挑戦するのもいいもんだ、なんて思ったりして。

始めの後ろ向きな自分はどこへやら、です。

でもあまりにストイックになったため、その後の反動のような自堕落ぶりは、ひどいもの…。
そして。

うー、やっぱり、誰かとお芝居したーい!!

これが、あはは、今の本心かなあ〜。
でも一人芝居のチャンスをいただけたこと。

素晴らしい経験をできたこと。心から感謝しています。

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一人芝居の後、映画2本、スペシャルドラマを撮りました。
「けっ、このタコ!」「てめえ、このやろ!」という台詞を言ったり
(どきどきしました!)、小豆島弁を話しました。これまたどちらも初体験!
これからまた、映画撮影が始まります。
これも初体験のことがあり、現在、恥ずかしい〜!と叫びながらの稽古中。
大人になったって、恥をかいたり挑戦するのも悪くない、そんな夏でした。

夏の疲れが出る頃です。
皆さん美味しい秋を堪能しながら、健やかに秋を過ごせますように。

そして、勇気の一歩、皆さんも楽しめますように。

 

2015年 秋分

多江