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2013.09.10

色の時感|vol.61

暑さもだいぶ和らぎ、秋の風が心地よくなってきました。
皆様、夏の疲れは出ていませんか。

私は、先月からお仕事を再開しました。
実は一年ほど、ドラマや映画のお仕事を休ませていただいてました。
仕事と言うのは、忙しいと休みたいと思うものですが、
休むと、仕事したくてしょうがないものです。
お声をかけてくださったお仕事を受けられず、お休みをいただいたものの、
申しわけなさや、日常の辛さで、自分では、
なんだか流れていた川がせきとめられたような気分で過ごしていました。
だから仕事を再会した時には、一年間ため込んでいた気持ちが溢れたようでした。
もちろん、初心者のように上手くできないこともありますが、
現場にいられること、お芝居できることに感謝と感激でした。

 

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そんな気持ちの中、「恋する雑貨」という番組で竹細工の盛んな大分に伺った時のことです。
竹細工の作家さんの作業の大変さ、想いを感じ、竹細工は育てていくものだと知り、
竹細工を愛おしいと思うようになったころ、竹細工を使ってるお宅におじゃましました。
そこのご主人が作った竹ざるで奥様とお米を研いでいた時のことです。
冷たい水に手を浸してお米にさわると手が竹に触れ、
昔川に手を浸して砂利や丸くなった石をさわってる気分になりました。
それはなんとも懐かしいような、心地よく、ゆっくりと心のふたがあいていくようでした。
そして、涙が出そうになったのです。
自分でもよくわからない感情でした。
純粋だった自分に出会えたのか、幸せに気付かず、
でも本当に心が豊かだった昔を思い出したのか…。
その家の畑で採れた野菜と共に愛情込めて慈しんで出来上がったごはんを、
ご家族といただきました。
ゆっくりと時間が流れ、柔らかい空気に包まれるようで、とても豊かなひとときでした。

 

130910b

心の豊かさって、お金に代えられないもの、心が潤うもののような気がします。
仕事をしてない時の私は、風のそよぐのを聞き、雲が流れるのを眺め、
雨を感じながら歩いたりしました。
今思うと、川はちゃんと流れていたみたいです。
どんな時でも無駄は無くてそこを通って次があるんですよね、きっと。
つい目先のことや欲に大切なことを見失いがちだけど、愛おしく思ったり
慈しむ心をもっていられたら、と思います。
竹細工が、時間がたつとどんどん色が変わってあめ色に育っていくように、
私も、育っていきたいなと、思います。

豊かな美味しい秋をみなさんが迎えられますように。。。
 

2013年 長月
多江