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2018.10.26
前回は、「過去へのタイムトラベル」はその前に立ちふさがる鉄壁の障害「タイムパラドックス」のために、感覚的にも物理理論的にも実現が絶望的な見通しであるというお話でした。しかしそれではあまりにも夢も希望もない!SFなのに…。
ということで今回は、その不可避であるはずのパラドックスを乗り越えることができる、しかもれっきとした真面目な物理理論の範疇内のお話をしたいと思います。しかも2つのパターンで!
※始めにお断りさせて頂きますが、乗り越えられないはずの障害を乗り越えるという話なので、
真面目な話とはいえ、かなり「ぶっとんだ / 興味深い」内容になっております。
1つ目は、「事後選択モデル」と呼ばれる理論です。
これは、過去にタイムトラベルしたとしても、パラドックスを引き起こすようなことは絶対に起こらないという考え方です。
前回お話した「親殺しのパラドックス」でいうと、過去へ行ってもし自分を生む前の親を殺そうとしたとしても、何らかの邪魔が入ったりアクシデントが起こるなどして、絶対に親を殺すことはできず、その結果矛盾が生じるような事態にならないということになります。
こう聞くと、なんかご都合主義な感じで、とても現実世界に起こりうる感じがしないと思われるかも知れませんが、実際にこの理論の可能性を裏付けるような実験結果が出ているというからオドロキです。例により難しいことは省いて簡潔に説明すると、(もちろん実際に過去へ行くというような実験ではありませんが)光子を用いた実験で、似たようなパラドックスを引き起こすような状況を作り出すと、矛盾の発生を避けるような振る舞いをするようになるとのことなのです!
最初に「邪魔が入ることになる」と書いたので、なにか“「神」のような存在からの作為的な現実世界への介入”とでもいうべき現象が起こるような錯覚が起こってしまうかも知れませんが、 正しくは、というか時間の順番的には、“最終的に殺すことができなかったから、その後自分が生まれた”ということであり、なんらおかしいことではありません。過去に起きたこと&現在起きていることは、未来においてタイムトラベルが成功することや、その結果起こりうる全てのことが織り込み済みであるということです。
しかしこの考え方が正しいとすると、未来永劫、誰一人として過去に戻って親(もしくは祖先全般)を殺すという行動に失敗し続けるということになり、それはそれでやっぱり現実味がないような気もしますよね。まあ、その方が平和で良いんですけどね。
2つ目は、「並行宇宙」「マルチバース理論」「多世界解釈」と呼ばれているものです。呼び名が多いのは、この理論が既にかなり一般的に物理学者たちが実際にそうであろう、と考えているものだからです。名前からある程度想像できてしまうかとは思いますが、この理論では、私たちの存在しているこの世界・宇宙は、ただ1つではなく、同じような宇宙がいくつも存在しているとされています。しかもその中には今のこの世界とそっくりな宇宙もたくさん含まれている可能性が高そうであるとのこと。つまり、今生きているココとは違う世界に自分とそっくりな、自分ではない自分がいるということです。にわかには信じられませんが、最新の物理学でパラレルワールドを認めているということなんです!
さて、それがタイムパラドックスの克服とどういう関係があるのか?…
ちょっとズルイって感じがしてしまうかも知れませんが、過去へのタイムトラベルの行き先が、現在の自分の住んでいる宇宙ではなく、別のよく似た(というかそっくりな)宇宙の過去の時間に移動するということです。(いやいや、どうやって移動するんですか?っていう難しい問題は当然かなりあるのですが、それに対しても現在科学者たちが考察しており、幾つか可能性の話も出ているようです。)
ここで大切なのは、この理論というか方法での過去タイムトラベルであれば、
理論的にも、そして直感的・感覚的にもタイムパラドックスは発生しないということです。
過去へ戻って親を殺してしまったとしても、自分は違う宇宙の親から生まれているので関係ないというわけです。しかしそれでも、そっくりな世界ではあるので、従来考えていた過去へのタイムトラベルと大きく変わらない状態を達成できているということになるのです!
またこの方法には過去タイムトラベルの手段として画期的である理由がもう一つあります。
「従来の過去へのタイムトラベル」が、まさに時間をさかのぼっていくという移動に非常に困難を伴いそうだということに対し、こちらの方法では実際には時間を過去へ移動するということは必要ないのです。あくまで、(時間の進み具合の違う)別の宇宙のちょうどその時間の場所へ移動するということなので、移動としては時間をさかのぼってはおらず、マルチバース間の移動だけで済むのです。ええ、まあ、それも同じぐらいかそれ以上の困難が伴いそうだと容易に想像はつくのですが、しかしいかに困難でも、パラドックスを含んでいないという点で有望であるということなのです!
マルチバース間移動のタイムトラベルでは、親を殺さなかった場合には、もう一人の、その宇宙の自分が生まれることになりますよね?
「世界には自分とそっくりな人間が3人いる」っていう都市伝説がありますが、
それってもしかして、、、他の宇宙から来た自分があと2人ぐらいこの世界にいるっていうこと!?…だったら面白いなー。
※タイムトラベルの話を調べていくと、必ず「時間」そのものが一体どういうものなのか、という疑問・問題に突き当たります。
当たり前に存在し、流れていると感じている時間という概念自体が、実はまだまだ謎多きものであり、それこそがタイムトラベルを難しいものにしているようです。最新理論の中には、「現在から過去へ移動する」のではなく、「現在から過去を変える」という可能性まで考えられているとか。
いやー、科学なのに話に現実感が感じられないですね(笑)