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2017.08.01

安岡 直|その弐拾六

現代人にとってほぼ当たり前となっている「糖質燃焼型」って、

実は健全な食生活とは言い難い…

というか、ちょっとヤバくない?…の続きです。

 

前回少し触れましたが、

まず、人類がもともと「脂質燃焼型」の代謝システムであったということは一体どういうことなのか、もうちょっと詳しく説明させてください。

 

 

農耕文化以前の狩猟生活では、当然食料はいつでも手に入るわけではありませんでした。

また、せっかく手に入れた食料を無駄に腐らせるのも勿体ないので、

結果、人類は食べられる時にありったけ食べて体脂肪に変えて蓄える、

という素晴らしい代謝能力を獲得したのでした。

え?そんな太る能力なんて素晴らしくない?いやいや、命に関わる大事なことなんです!

 

これがどれくらい優れているのかを、脂質と糖質を比較することでみてみましょう。

人間の1日の消費カロリーは、運動不足気味の現代でさえ、2000~2500kcal程度です。

これに対し糖質をエネルギー源として体(肝臓と筋肉)に蓄えられる量は、

たった2000kcal程度です。つまり、たった1日分のエネルギー源としても足りません。

 

一方脂質の場合は、体脂肪として皮下や内臓の周りの体全体に、

普通の人で約40000kcalもの蓄えができるのです!糖質のなんと20倍です。

1日や2日と言わず、たとえ数日間食べなくても活動できるのは、

大量貯蔵が可能な脂肪のおかげなのです。

次にいつ食べられるかわからない生活をしていたとしたら、

これがどれくらい大切なことかお分かり頂けるかと思います。

巨大なタンクから安定したエネルギー供給ができること、

「脂質燃焼型」の最大の強みはそこにあるのです。

 

逆に「糖質は多く蓄えることができない」ということが、

「糖質燃焼型」の危なさに繋がっていきます。

炭水化物(糖質)は、体内に入ると[すぐに]分解され、エネルギー源として運ばれます。

普通に考えれば、「速攻エネルギーになるなんて、いいじゃない?」ですが、

元々「脂質燃焼型」として進化の道を歩んできた人間の細胞とは馬が合いません。

糖質の貯蔵タンクが小さいため、糖質中心の食事で一気に大量に体内に入ってきた糖質の全てを、

エネルギー源としてうまいこと取り込むことができないのです。

するとどうなるか?吸収されない糖質は血中に残り、血糖値が急激にあがります。。。

 

 

さて、いよいよ「糖質燃焼型」の危ない核心に迫っていきますよ。

「血糖値の急激な上昇を抑える」とか「穏やかな糖吸収」という文句を聞いたことがないでしょうか?

なぜ、このような機能性表示食品が出回るようになったのかと言うと、

体に悪いのでそれを避けた方が良いからです(笑)

みなさんご存知の通り、上がった血糖値はインシュリンの出動により速やかに下げられます。

が、それはどういうことかというと、

別に消えて無くなるわけではなく、脂肪細胞にとり込まれます。

エネルギー源として使われない持て余した糖質は、寄り道せずに速攻体脂肪となるのです。

 

※混乱を防ぐためにまとめますと…

【脂質】:大量貯蔵ができ、安定したエネルギー供給ができる。

細胞膜の原材料など、代謝に関わる様々な使い道があり、すぐに体脂肪にはなりにくい。

 

【糖質】:糖質として貯蔵できる量が少なく、すぐに血糖値があがる。

エネルギー源としての用途以外もないため、余剰分はすぐに体脂肪として蓄えられる。

となります。

 

ダイエットに関しては前回お話したので、

まあここでは糖質が速攻体脂肪になってしまうところは良しとしましょう。

そんなことよりももっと重大なことがあるのです。

糖質中心の食事で急激に上がった血糖値は、

インシュリンによって下げられますが、ピタッとうまく調整はできません。

一時的に下げ過ぎてしまうのです。

そうすると今度は血糖値が下がりすぎたことにより、体は再び糖分を欲します。

これが、食後に甘いものを食べたくなる理由です。

例えデザートを食べなくても体の中で血糖値の調整は行われます。

つまり、急激な血糖値の上昇はその後の連続する下降、再上昇を繰り返すのです。

 

では、それのどこが悪いのか?

単純に体の中の血糖値の急上昇急降下の繰り返しが体力を奪うという面もありますが、

もっと深刻なのは、体は繰り返されるインスリン分泌に対し、

だんだんと鈍感になってしまっていくのです。

血糖値が上がってインスリンが分泌されても、なかなか下がらなくなってしまいます。

はい、これが糖尿病です。

生活習慣病とされる糖尿病は、まさに糖質中心の食生活習慣から生まれているのです。

 

そしてその結果、以下の2つに代表される重篤な症状を引き起こすのです。

1:食後の急上昇、インスリンによる急降下の繰り返しにより、

細胞に供給されるエネルギーが安定しない。よって内臓や脳のパフォーマンスが落ちてしまう。

 

2:高血糖の状態は、糖尿病を始め、ガン、心臓病、

脳血管障害など万病を引き起こす大きな原因とされている、慢性炎症を引き起こす。

 

1は、日常生活に直結しています。

言うなれば電圧の安定しない環境で電化製品を動かしているのと一緒で、

とても最善の働きとは呼べない状態なのです。

実際、「糖質燃焼型」との比較実験によって、

エネルギーが脂質タンクから安定供給される「脂質燃焼型」では、

インスリンと血糖値も常に安定しており、

脳や体の機能も高い水準の最適な状態で維持され続ける、

ということが、証明されているそうです。

 

2は、これ以上の説明はいらないかと思いますが、

余分な糖質が引き起こす慢性炎症は、

近年多くの病気の引き金となっていることが分かってきています。

そこまで気にしていなかったはずの「糖質燃焼型」

「糖質中心の食生活」がほぼダイレクトに病気を引き起こす、ということです。

実際に、糖質中心の食文化が入る前のイヌイットやアマゾン原住民、

アフリカの部族では、そういった病気はほとんどみられなかったそうです。

(さらに言うと、虫歯もなかったとか!)

 

こんな違いがあるのなら、「脂質燃焼型」で是非ともやっていきたいと思われたかも知れません。

しかし、食生活を変えなくてはそれは成し得ません。

糖質の過剰摂取は脂質燃焼を邪魔してしまうのです。

代謝機能のこれまた素晴らしい能力なのですが、

「一番多く摂り入れている栄養素をエネルギー源とする」という特性があるからです。

これにより、炭水化物(糖質)を摂り続けることによって、

せっかく蓄えている体脂肪をエネルギー源として消費することもなく、

次々と送り込まれる糖質を燃やしているのです。

 

 

え~、聞いてなかったよそんなの!!という感じではないでしょうか?

 

次回は、「良い油」を摂取することのさらなる効用の紹介と、

なぜ現代社会は「糖質燃焼型」に陥ってしまっているのか?

についてお話させていただきます。