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2015.04.28

安岡 直|その拾七

単に眠たいって感じるだけじゃない、睡眠不足って本当は一体どれくらい「ヤバい」こと
なのか?の続きです。

文献によれば睡眠を意図的に不足させることは拷問に使われたこともあるくらい心身に
とって苛酷な状態です。老廃物を大量に抱えこんだまま、さらに酷使され続ける脳細胞を
イメージしてみて下さい。
実験によると、睡眠不足により認知能力は低下していき、5時間未満の睡眠状態で、十分な
睡眠をとった時と同じレベルでしっかりと活動できる人はたった5%の人のみだそうです。
さらに睡眠不足の状態にある人は反応速度に40%の低下がみられ、これは血中アルコール
濃度が0.08%程度の「ほろ酔い」時とほぼ同じ数値であるということがわかっています。
それだけ、脳が正常に機能できないほど「オーバーワークによる負担がかかっている」と
いうことです。

そして、話はさらに怖いことになっていきます。

睡眠不足(例えば睡眠時間が6時間以下に制限されてしまうような状態)に陥っても、
週末などにたっぷりと睡眠をとれば大丈夫って思っていませんか?
でも、ここまでに説明してきたことを良く考えてみて下さい。脳細胞内に老廃物が溜まって
しまっている訳です。

そんな甘い考えは通じません。(というか、睡眠時間6時間以下で問題になるのがすでに
怖いですよね?)

たとえ週末に長く眠っても、平日の睡眠不足による悪影響を補うことはできない、という
ことが明らかになっているのです。
複数の研究によると、週末の「寝だめ」は、眠気を解消する効果はあるのですが、睡眠不足
による認知能力の低下を改善する効果は見られないそうです。慢性的な睡眠不足は考えられ
ていたよりも深刻な状態を引き起こしており、後から充分な睡眠をとっても、集中力や認識
力が普段のレベルまで回復することはなく、傷ついた脳細胞は実際には元に戻らないダメー
ジを受けているというのです。
マウスを使った実験によっても、覚醒状態が長時間続くことでニューロンが損傷・損失する
ことが証明されており、それが認識能力に影響を与えていることが判明しています。
また、さらに怖いことに、これらのことがアルツハイマー病・パーキンソン病のような神経
変性疾患を潜在的に加速していることも証明されているそうなんです。

これ、怖すぎますっ!睡眠不足をする度に、確実に脳にダメージが蓄積されていく。。。

さらに、7時間以下の睡眠が続いてしまうと精神疾患にかかってしまう恐れがあり、身体的
にも、6時間以下だと心臓の病気や乳がんを発症するリスクがあがり、5時間以下の睡眠が続
けば糖尿病や呼吸器疾患、性機能障害を引き起こしてしまう可能性も示唆されています。
「寝る間も惜しんで頑張る」って、思っていたより身体に相当な犠牲を払って頑張るってこと
みたいなのですが、その反面、効率は恐ろしく悪くて、ほろ酔いで作業しているのと変わらな
い。これって結局、けっこう後ろ向きな努力な気がしてきませんか?

本来眠るはずの時間を寝ないで作業することが、時間のマネジメントとして果たして正解
なのか?

例えば「明日の朝の締め切りに間に合わせるために」ならば、寝ている場合ではないのは分か
りますが、もう少しだけ長めのスパンで考えられれば、きっちり睡眠をとることの効率の
良さ、大切さが分かって頂けるのではないでしょうか。

さて、ここまできてちょっと話は変わります。

睡眠不足でも、「よく寝た」と心の中で思い込むことにより、寝不足な脳でもある程度
パフォーマンスを向上させることができる、という面白い実験結果もあるようです。
しかしこれはあくまで付け焼き刃的な対処法に過ぎません…。
はい、そうです。ここまで話してきましたが、「だから充分な時間眠りましょう」で終わる
ような「よもやま」ではありません。

次回は、それでも睡眠時間を短くして頑張れる方法です!