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2014.12.11


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|その拾四

ウイルスそれ自体は、べつに病を引き起こすのが目的の根っからの悪者ではない!
の続きです。

なにが言いたいかというと、重大な病を引き起こしてその宿主(人間とか)が死んでしまう
ことは、ウイルスも全く望んでいないということです(まあ、そもそもウイルスは生きて
いないのだから意志をもっているわけではありませんが)。

進化論的な見方をすると、少しでも多くの子孫を残せるように有利に振る舞いたいわけ
なので、寄生するウイルスにとって、その宿主が死んでしまうことは大きなマイナスです。
たとえ他の個体の細胞に新たに感染(伝染)したとしても、感染しては殺してしまうという
ことを繰り返していたら、やがて感染できる個体がいなくなってしまいます。
さらに言うと、ウイルスはいったん宿主の外に出てしまうと、長くは感染能力を維持できま
せん(エボラウイルスの場合、15時間後に約6 割が不活化(気温25℃湿度35%))。
生きてないのに死んでしまうという表現もおかしいですが、つまり死んでしまうということ
です。

考えてみて下さい、インフルエンザにかかった人が仮にもしみんな死んでしまうとしたら、
数年後には感染できる人間自体がいなくなり、したがってインフルエンザウイルスも生き残
れないということになります。死なないまでも重大な病気で宿主を弱らせることは、大きな
意味で不利になるので同じというわけです。

では本来ウイルスはどうしたいのか?

それは、「感染した相手に決定的な病気を起こさずに、ただその細胞内で存在し続け、
さらなる感染の機会をうかがう」ということです。また、さらに進んで、宿主の細胞や遺伝子
のどこかに紛れ込んで、いわば同化してしまう場合もあります。

ウイルスは本来平和主義者であり、居心地が良ければ静かに何十年でもその細胞に黙って
居座り続けるのです。なぜなら、感染した宿主の細胞が元気に増えてくれれば、わざわざ危険
を冒して自分で複製しなくても結局自分自身も増えることになるからです。
実際、人間が進化の過程のどこかで感染して、そのまま組み込まれたと考えられるウイルス
由来のDNA 配列は、分かっているだけでヒトの遺伝子全体の9%にも及んでいるらしいのです。

ウイルスのもともとの性質は、
「勝手にどんどん増えてやるぜ!病気になってお前が死んだって知ったことか!」ではなく、
「おとなしくしているので、僕も一緒に連れて行ってもらえませんか?」なのです。

じゃあそれがなぜ、エボラ出血熱などの激しい症状を引き起こすのか?

それは、端的に言うと、ウイルスがビックリして取り乱しているからです。
エボラウイルスは、もとはコウモリに感染しているウイルスであると考えられていますが、
それが意図しないなにかの拍子(コウモリを食べることなど)により人間へ感染すると、
「どこ、ここ?いつもの場所と違う!」となり、普段と違う振る舞いをしてしまいます。
馴染みの宿主であるコウモリとはうまくやれていたのに、違う環境ではいろいろな生化学的な
メカニズムが狂ってしまっておとなしくしていることが出来なくなってしまい、結果爆発的に
増殖して致死的な病状を引き起こしてしまうのです。

ウイルスにとってもまさに緊急事態というわけです。

その証拠に、エボラのように人間の間で爆発的に広がった致死ウイルスは、感染者が不幸にも
命を落としてしまうか、運良く完治するかによって、結果としてウイルス自体は生き残れては
いません。
ヒトの間で致死的伝染病として広がることがそのウイルス本来の生存方法ではないからです。

ウイルスが生き残るための最適の毒性(感染能力などを含む)については条件によりかなり様々な
パターンがあるそうですが、強い毒性をもったウイルスが長期に渡り生存できる可能性は
極めて低くなります。また、そもそもウイルスは感染する相手を選びます。
どの細胞にも感染できるわけではなく、自分のパートナーが決まっているのです。
たまたま本来とは違う宿主に感染してしまった場合でも、病気を引き起こさない場合も
たくさんあります。それらを乗り越えてしまった時、初めて重い病原性ウイルスとなるのです。

まさに、出会わなかった方が良かった悲惨な出会いです。

実は長い歴史の中では、彼らは寄生して一方的に他の生物を利用するだけでなく、時には
私たちを助けてくれたりもしています。次回は、ウイルスのポジティブな面を見てみたいと思います。

ウイルスって、考えようによっては本当にスゴいやつらなんです。


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