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2019.06.06


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|その参拾四

今回は他でもない「ワタシ」のお話です。

と言っても、今これを書いている私のことではなく、読者のみなさんも含めた全人類の「ワタシ」について。もっと正確に言うと「ワタシ」を生み出している高次脳機能の「意識」についての話。もちろん、よくある哲学的な話ではなく、ましてや意識高い系みたいな話でもなく、純然たる科学的側面から、目から鱗が高速で飛んで行ってしまいかねない「ワタシという意識」のメカニズムに切り込みましょう!

 

♦「意識」の因果  ♦

あまりにも当たり前にそこにあり、疑問視することすら危ぶまれるかも知れませんが、自分自身を「ワタシ」と認識させている「意識」は、れっきとした脳の生理的活動によって生み出されている現象であり、もっと言うとそれは物理的現象です。従って、そこにはそれを生み出す原因があり、メカニズムが存在するわけです。しかし、この実態は一般的にイメージされているものとは大きく異なるようなのです。

 

 

今回の話は、以下の2点を念頭におきながら読んで頂ければと思います。

①「意識」も他の生物的機能(視力、肺呼吸など)と変わらず、進化の過程の中で獲得されたものであること。

②なぜ、何のために意識という能力が生まれたのか?

 

 

♦ リベット博士の実験 ♦

まずは、”リベット博士の実験”についてご紹介します。

1983年に発表されたこの実験は、内容としてはごく単純であり、被験者が好きなタイミングで指を動かす時、その脳内の電位を測定するというだけのものでした。

まず被験者の脳に電極を取り付け、指を動かそうする脳の運動準備電位を計測できるようにします。

そして、被験者が指を動かしたいと思ったタイミングと、実際に脳で電位が生じたタイミングを比べるのです。

実験結果を簡単に言うと、

『指を動かそうと意思決定をする0.35秒前に、脳で運動準備電位が生じた』です。

これは、意思決定の前に、先に脳内で指を動かすという決定が下されていたということになります。

もちろん、この結果は当時大論争を呼びました。

だって、自分が意思決定をする前に脳内で決定が下されていたということは、「ワタシ」という意識が本当は自由な意志を持っていないのではないか?となりますから。しかし、そうした大ブーイングの中、世界中の科学者たちが再現実験を何度くり返しても、結果は同じだったのです。「意識」による決断より先に、脳内ではすでに決断は下されていたのです!

 

 

♦ デカルト劇場 ♦

しかしそれは、よく考えてみると当たり前のこと、というか、そうでないと困る、ということに気づきます。

先ほどお伝えしたように、「意識」も物理現象です。ということは、「原因があって結果が起こる」ということです。

つまり、「意識」による意思決定にも、その原因となる先行する物理的な現象が必要となるのです。むしろそれがなかったら「意識」の仕組みは既存の物理法則に縛られない、余計に複雑な謎に包まれたものになってしまいます。

『なーんだ、じゃあ当たり前のことじゃん!』って胸をなで下ろすのはまだ早いです。

上記のように考えると、1つの疑問が残るのです。

「意識」の意思決定の前に、脳内で決定を下しているのは、一体何なのか…?

この疑問への解答は、注意しなくてはなりません。なぜなら、仮に意識に先行して決定を下していたものを”これだ”と見つけたとしても、今度は”その先行決定はどのように、何が決定したのか?”という無限の入れ子構造のループに陥ってしまうからです。これは「デカルト劇場」と呼ばれており、専門家でもうっかり陥りやすい考え方なのです。

 

 

<脳内ではなにが起こっているのか?>

この、解決策が見つからなさそうな問題に立ち向かう前に、もう一つの実験結果を紹介させてください。

1998年、マーカス・レイクル博士は、血流量を観測することにより脳のエネルギー消費量を調べていました。

そして発見した結果は、当時論文の掲載を拒否されるほど信じがたいものでした。

脳は、意識的にはなにも考えていない安静時に、よりその活動を活発にしていたのです!

 

♦ デフォルトモード・ネットワーク ♦

ぼーっと、なにも考えていない時の脳の状態は「デフォルトモード・ネットワーク」と呼ばれています。

脳はこの状態の時に、総消費量の実に6~8割ものエネルギーを使っていたのです。逆に読書などの日常的な活動には、安静時の5%以下のエネルギーしか使っていませんでした。これは一体どういうことなのか?

脳は、意識が働いているいないに関わらず、活動を続けているということです。というかむしろ、なんら意識的な活動をしていない時の方が活発に働いているということ。そんなバカな?と思うかも知れませんが、これは実は多くの方が日常体験として実感できていることだったりします。それは、「ひらめき」です。

考えに行き詰まった時、その考えから離れて全く関係ないこと(例えば散歩や入浴中など)をしている最中に、「ひらめいた」ことはないでしょうか?ジョン・クーニオス博士によると、これは経験的に感じるだけのものではなく、科学的に裏付けのあることなのだそうです。

これはまだ科学的データに基づいた推測というレベルですが、デフォルトモード時には、脳内にあるあらゆる記憶の断片が自由に組み合わせられ、そこから意識では考えもしなかった新しい発想を生み出しているのではないか、ということなのです!人間は普通、脳内に残ってはいても自分では思い出せない記憶がたくさんあります。それらを無意識下で利用してアイデアを生み出すなんて、、、凄すぎる、我ながら(笑)

 

上記の事柄から言えることは、つまり、人間の「意識」に表出している”考え”は、脳の中で起きていること全体から見たら、ほんの一部に過ぎない、と言うことです!

次回は、「デフォルトモード・ネットワーク」を踏まえた上で、「デカルト劇場」の無限ループ問題の解答へと進みたいと思います!もちろん、学術的で難しい厳密性なんかは横に置いておいて!

 

yomoyama201906


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